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誇りをつくる学校・公共施設5万人未満

現地の土を固めた煉瓦で丸天井の教室棟を建て、地域の職人と一緒に中等学校をつくった

CEM Kamanar

セネガル / ジガンショール州 / チョンク・エシル

現地の土を固めた煉瓦で丸天井の教室棟を建て、地域の職人と一緒に中等学校をつくった
© METALOCUS — この写真が載っている記事

ArchDaily は2025年9月9日に、マドリードのカサ・デ・ラ・アルキテクトゥーラで開かれている展覧会がこの学校を取り上げたと伝えている。同記事は工事に地域の164人が加わったことと、2020〜2022年の周期のアガ・カーン建築賞を受けたことを併記している。

何をしたか

セネガル南部チョンク・エシルに、生徒500人の中等学校を建てた。バルセロナの設計事務所 dawoffice の説明として METALOCUS が載せた文章によれば、この地域でいちばん多い材料である粘土を主な建材とし、敷地でつくった圧縮土煉瓦を積んで、カテナリー曲線の丸天井を教室の屋根にした。同じ説明によれば、粘土は圧縮の力の下で働く材料であり、この形はそこから選ばれている。教室棟は格子状の位置に置かれ、必要になれば同じ形の棟を足して学校を大きくできる。ArchDaily は2025年9月9日に、工事に地域の164人が加わったこと、2020〜2022年の周期のアガ・カーン建築賞を受けたことを伝えている。

誰が始めたか

事業を進めたのは、バルセロナの設計事務所 dawoffice と、同事務所がつくった財団 Foundawtion である。ArchDaily は2025年9月9日に、着想が2014年ごろのバルセロナで生まれたこと、dawoffice の David García と Aina Tugores がチョンク・エシルの当局と会い、町に1つしかなかった中等学校が定員を超えていることへの答えを示したことを伝えている。同記事によれば、事業は「Let’s make school」という言い方のもとで、石工・大工・電気工・配管工などの職人にとっての学校にもなるように組み立てられた。

Foundawtion 自身は2021年6月16日の記事で、2014年に David García と Aina Tugores がチョンク・エシルの当局と会って新しい中等学校を建てることを決めたと書いている。同財団によれば、この事業は dawoffice が計画し、事業の運営は同財団が担った。同財団は、工事の4年間に地域の164人が加わったこと、現地の労働への報酬と、地元の家族経営の商店から買った道具や資材を通じて、地域の世帯に直接お金が渡ったと書いている。家具は Marc Morro が設計し、地元の大工がつくったとしている。

同財団によれば、学校は公立であり、2019年10月10日の落成式でセネガルの教育当局へ引き渡された。この式にはチョンク・エシルとジガンショールの当局、財団の理事、dawoffice の代表、工事に加わった志願者と職人が出たとしている。

いくらかかったか

Foundawtion は2021年6月16日の記事で、工事の実行費用が最終的に40万ユーロになったと書いている。同財団によれば、資金は多数の個人と団体の寄付でまかなわれ、自動車の会社 Teknia の名を挙げている。金額と寄付者の名を書いているのは事業者自身の発信だけで、独立した出典では確認できなかった。 資金の出し手が Foundawtion であること自体は、ArchDaily(2025年9月9日)もデータ欄に施主・出資者として、本文にも同財団が資金を出したと書いている。

規模について、METALOCUS は記事末尾のデータ欄で面積を1,900平方メートル、設計を2014〜2016年、工事を2016〜2021年としている。Foundawtion は敷地が約2ヘクタールで、周囲を柵で囲ったと書いている。同財団は、工事でできたものとして、単独の教室21、図書室にあてた2つ分の教室1、課外活動にあてた2つ分の教室1、更衣室つきの便所を挙げ、これに管理棟が加わるとしている。この並びが1,900平方メートルの内訳にあたるとは、どの出典も書いていない。

真似するなら最低何が必要か

材料を敷地から出すと、掘った跡が別のものになる。 Foundawtion は2021年6月16日の記事で、丸天井の主な材料が現地の土であり、その採取跡がサッカー・バスケットボール・陸上の運動場と、生徒が使える菜園になったと書いている。METALOCUS が載せた設計事務所の説明も、粘土がこの地域でいちばん多い材料であることを、それを選んだ理由として挙げている。

粘土は圧縮の力の下で働くので、形がそこから決まる。 同じ説明によれば、粘土で屋根のある空間をつくることが難題で、その答えとして選ばれたのがカテナリー曲線の丸天井だった。丸天井には雨と日射から粘土を守るために波形の鉄板をかぶせている。教室の両側は木の格子で閉じられ、北から南へ風が通る。同説明は、この通風と粘土の多孔質によって蒸発による冷却が働き、機械の空調に頼る必要が無いとしている。

建てること自体を職人の学びの場にできる。 ArchDaily は2025年9月9日に、この事業が石工・大工・電気工・配管工などの職人にも向けた学校として構想され、知識を伝えて分け合うことを目的にしたと伝えている。Foundawtion は、工事の4年間に地域の164人が加わり、運営と現場の指揮にあたって現地に移った志願者は地元の家庭に受け入れられたと書いている。

あとから足せる形にしておく。 METALOCUS が載せた設計事務所の説明によれば、学校は時間とともに変えられる仕組みとして考えられており、格子の上に並べた棟を足していくことで大きくできる。同じ説明によれば、木は事業を組み立てる要素になり、学年ごとの広場に伴っている。Foundawtion は、学年ごとの教室が、もとから木が立っていた位置と重なる広場のまわりでつながっていると書いている。

今どうなっているか

World Architecture Community は2022年9月23日に、この学校が2020〜2022年の周期に候補となった463件から選ばれた6件の1つとしてアガ・カーン建築賞を受けたと報じている。同記事によれば、6月に、16か国にわたる20件が独立した9人の審査団によって最終候補に選ばれ、6件が100万ドルを分け合う。同記事は審査団の評を載せており、そこでは都市計画・造園・建築・建設技術のいずれの尺度についてもこの学校が取り組んでいるとされ、敷地の起伏と植生がこの事業の出発点に置かれた条件だとされている。

ArchDaily は2025年9月9日に、マドリードのカサ・デ・ラ・アルキテクトゥーラで開かれている展覧会「Architecture is Cooperation」がこの学校を取り上げたと伝えている。同記事は、この展覧会が2025年9月30日まで開かれる予定だと書いている。同記事は、この展覧会がスペインから進められた協働の事業を集めたものであり、キュレーターが Josep Ferrando であること、展示そのものが土と木でつくられていることを書いている。同記事はこの学校について、施主と資金の出し手が Foundawtion であること、設計が2014〜2016年、工事が2016〜2021年であることを併記している。

学校が引き渡されたあと、生徒数や校舎の使われ方を現地で追った報道は見つけられなかった。 手に入った出典は、設計事務所と財団の発信、建築の賞の発表に基づく記事、スペインの展覧会を伝えた記事であり、いずれもセネガルの媒体ではない。

出典

  1. CEM School Kamanar - Foundawtion — Foundawtion(2021-06-16)
  2. Sustainable vaults. CEM Kamanar Secondary School by daw office | METALOCUS — METALOCUS(2022-05-18)
  3. Winners announced for Aga Khan Award for Architecture 2022 — World Architecture Community(2022-09-23)
  4. "Architecture Is Cooperation": Collective Projects that Build with Communities and Professionals | ArchDaily — ArchDaily(2025-09-09)

最終確認日 2026-08-20

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