土砂崩れの危険地域の住民を移した住宅地に、森林再生と協同組合の太陽光発電を組み合わせた
Green Gicumbi
2026年5月29日に事業は正式に終了したが、住宅移転・森林再生・協同組合支援の継続を地元が担う体制へ移行したとTOP AFRICA NEWSは伝えている。
何をしたか
ルワンダ北部のギチュンビ郡で、土砂崩れや洪水の危険地域に住む世帯を、森林再生や集水域の保全と組み合わせた住宅地へ移す事業「Green Gicumbi」が2019年に始まった。正式名称は「Strengthening Climate Resilience of Rural Communities in Northern Rwanda」で、グリーン気候基金(GCF)からの助成(総額3,200万米ドル)を受け、ルワンダ・グリーン基金(FONERWA)が実施した。危険地域からの住宅移転に加え、劣化した森林の再生、集水域と土壌流出の管理、地元協同組合への太陽光発電など再生可能エネルギー設備の導入を組み合わせている。
誰が始めたか
住宅移転の設計を担当したFulgence Dusabimana氏(Green Gicumbi事業のインフラ担当)は、移転先の世帯を元の居住地から遠く離さない設計にしたと2022年1月にKT Pressに述べ、「relocated families remain within their locality(移転した家族は元の地域圏内にとどまる)」ことを狙いとして挙げている。
いくらかかったか
事業全体の資金はGCFからの助成で、TOP AFRICA NEWS(2026年)は事業終了時点の総額を3,200万米ドル($32 million)と伝えている。このうちルバヤ・カニガ両セクターでの住宅移転(200戸)にはRwf16億が充てられたとKT Press(2022年)は伝えている。住宅の建材には、木材を燃やして作るレンガではなく、環境配慮型の生産ラインで作られたルリバ・レンガが使われたという。2026年の事業終了時点では、25の地元協同組合に対しRwf13億が環境・気候関連の取り組みに配分されたとTOP AFRICA NEWSは伝えている(この25団体とGood Neighbors Cooperativeとの関係は、参照した出典からは確認できない)。The New Times(2025年8月)によれば、ルバヤ・セクターのGood Neighbors Cooperativeは、Green Gicumbi Climate Action Fund(CAF)のパイロットプログラムで選ばれた25団体の一つで、30キロワットの太陽光発電システムの導入を受け、製粉機2台と照明設備をまかなっているという。事業全体の内訳のうち、森林再生や集水域管理など他コンポーネントの費用は出典から特定できなかった。
真似するなら最低何が必要か
複数の出典を重ねると、いくつかの要素が浮かび上がる。
第一に、移転先を元の居住地から遠く離さないという設計である。KT Pressによれば、ギチュンビ郡の担当者は、住民を近隣に留めることで、生活基盤や仕事から孤立させない狙いがあったと説明している。
第二に、危険地域からの住宅移転と、森林・集水域の保全を同じ事業の枠組みで扱ったことである。TOP AFRICA NEWSによれば、事業は「集水域の保全と気候に強い農業」「森林管理と持続可能なエネルギー利用」「気候に強い住宅地」「知見の移転」の4本柱で構成され、住宅移転だけを切り離さずに実施している。
第三に、住宅そのものの電力を必ずしも太陽光でまかなうとは限らないという現実的な判断である。KT Pressによれば、ルバヤ・カニガの住宅地は、系統電力の整備が予定されている地域だったため、太陽光ではなく系統電力への接続が選ばれた。一方、協同組合など生業の拠点には別途、太陽光発電が導入されている。
第四に、地元の協同組合を資金の受け皿にしたことである。TOP AFRICA NEWSによれば、25の地元協同組合にRwf13億が配分された(この25団体とGood Neighbors Cooperativeとの関係は、参照した出典からは確認できない)。The New Timesによれば、Good Neighbors Cooperativeは太陽光発電による製粉事業で収入を得ている。
今どうなっているか
事業は2026年5月29日に正式に終了し、閉会式がギチュンビ郡で開かれた。TOP AFRICA NEWSによれば、6年間の実績として、危険地域からの世帯移転100件、劣化した森林2,261haの再生、25の地元協同組合への資金支援のほか、直接裨益者数は当初計画の15万人を上回る15万8000人に達したという。地方自治大臣は式典で「Closing the project doesn't mean the end of protection and conservation activities(事業の終了は、保護や保全活動の終わりを意味しない)」と述べ、地元にこれまでの取り組みの継続を求めたとTOP AFRICA NEWSは伝えている。事業は「事後段階(post-project phase)」に入り、森林や集水域の維持管理は今後、地元コミュニティが担うことになるという。
出典
- 'Green Gicumbi' Invests Rwf1.6billion In Model Village — KT Press(2022-01-24)
- Kolmena Group Ltd hands over 30kW solar power system to Rwanda Green Fund and Good Neighbors Cooperative — The New Times(2025-08-14)
- Gicumbi Residents Urged to Preserve Green Gicumbi Legacy as the $32 Million Project Concludes — TOP AFRICA NEWS(2026-06-03)
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