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銅鉱山への輸送業務を、外部業者でなく住民出資の企業に任せ、収益を地区に残す

Empresa Comunal Apu Llallawa de Fuerabamba

ペルー / アプリマック州 / コタバンバス郡(フエラバンバ地区)

銅鉱山への輸送業務を、外部業者でなく住民出資の企業に任せ、収益を地区に残す
© Desde Adentro(ペルー鉱業石油エネルギー協会 発行) — この写真が載っている記事

2022年8月に5年契約を結び、2024年11月に銅精鉱の輸送を始めた。2025年には隣の集落にも同じ仕組みが広がり、住民企業としての参加は続いている。

何をしたか

ペルー南部アプリマック州コタバンバス郡の大手銅鉱山Las Bambasで、鉱山から出る銅精鉱を運ぶ仕事を、外部の運送会社ではなく、フエラバンバ地区の住民が所有する企業「Apu Llallawa」に任せている。 El Comercio(2022年8月16日)によれば、Las Bambas社は2022年8月、Apu Llallawaと5年間の銅精鉱輸送契約を結んだと発表した。トラックの購入資金は住民自身の出資による。 Desde Adentro(2024年11月20日)によれば、その資金で最新式のVolvo FM型トラック50台を購入し、2024年11月8日にコタバンバス郡からアレキパ州ピジョネス転送基地までの正式な輸送業務を始めた。ProActivo(2024年8月29日)は、この契約に先立ち同社がイベロアメリカ経営品質賞を受けたことも伝えている。

誰が始めたか

動いたのはLas Bambas社とフエラバンバ地区の住民企業の両方である。 El Comercio(2022年8月16日)によれば、Las Bambas社の調達担当マネジャーSebastián Lobo氏は、操業に必要なサービスをできるだけ地元から調達し、他の市場にもサービスを提供できる持続可能な事業者を育てることが狙いだと説明した。同記事で、当時の地区代表Edison Vargas氏は、この契約を「本当に地区のためになる一歩だ」と語った。

この「Edison Vargas」氏と、2024年の記事に登場する人物とを混同しないよう注意が要る。 ProActivo(2024年8月29日)は、2022年の契約時の地区代表をフルネームで「Edison Vargas Huillca」(当時の代表・現在は前代表)と記し、2024年時点で式典に出席した現職の地区代表は同姓同名に近い別人「Edison Vargas Huamanga」だと明記している。Desde Adentro(2024年11月20日)でも、2024年11月のトラック受領式で謝辞を述べたのはこのEdison Vargas Huamanga氏で、「私たちの地区にとって歴史的な瞬間だ」と語っている。Apu Llallawaの統括支配人Julio Benavides Chavez氏は、2024年8月の受賞に際し「さらに成長するための大きな励みだ」とProActivoに述べた。

Las Bambas社側では、2022年の契約発表時に操業・物流・調達の各部門責任者(Edgardo Orderique氏、Christian Palacios氏、Sebastián Lobo氏)が説明にあたった(El Comercio)。2024年の輸送開始時には、同社の社会管理マネジャーValery Niño de Guzmán氏が、契約は2022年8月に結ばれたとしたうえで、最新の車両は11月1日から稼働に入ると述べたとDesde Adentroは伝えている。

いくらかかったか

トラック本体の購入額や契約の金額は、参照した出典のいずれにも書かれていない。 分かるのは資金の出どころで、Desde Adentro(2024年11月20日)は、50台のVolvo FM型トラックが地区住民自身の経済的な資金(fondos económicos de la comunidad)で購入されたと明記している。地区自身の資金で車両を買い、その車両を使って鉱山会社との5年契約による運送収入を得るという構図である。

ProActivo(2025年5月29日)によれば、Las Bambas社は2025年5月22〜23日にクスコ市で商談会・金融ワークショップを開き、Apu Llallawaを含む複数の地区企業に対し、BCP・Interbank・BBVAなど金融機関による資金調達の助言を提供した。Apu Llallawa単独の財務状況は出典から確認できない。運送契約の金額、車両の購入額、従業員の給与水準はunknown_fieldsfunding_scaleに申告した。

真似するなら最低何が必要か

出典から読み取れる条件は3つある。

1. 発注元となる大口の需要があること。 Las Bambas社という単一の大規模鉱山が5年間の輸送需要を約束したことが、地区企業の事業として成り立つ前提になっている(El Comercio、2022年8月16日)
2. 地区が自己資金を投じる用意があること。 住民自身の資金でトラック50台を購入している(Desde Adentro、2024年11月20日)
3. 認定・訓練された人材を用意できること。 El Comercio(2022年8月16日)は、車両が研修・認証を受けた人員によって運行されるとしている

確認できないのは、契約金額、車両購入費、運送収入の地区への配分方法である。

今どうなっているか

2026年9月時点で確認できた最も新しい報道は、2025年5月29日のProActivoの記事である。

8月の受賞時点では10月からの開始が計画されていたが、実際に正式開始したのは11月8日だった。 ProActivo(2024年8月29日)は、Apu Llallawaが2024年10月に、経営者にとって事業人生で最大の挑戦となる銅精鉱輸送を迎えると報じていたが、Desde Adentro(2024年11月20日)によれば、実際の正式開始は11月8日で、車両は11月1日から稼働に入ったという。

この仕組みは、隣接する別の地区にも広がっている。 Desde Adentro(2025年3月4日)によれば、2025年3月1日、隣接するワンクイレ地区の住民企業Corhuanが、トラック30台で同じくLas Bambas社の銅精鉱輸送を始めた。同記事は、Corhuanが2018年にLas Bambas社の助言を受けて設立された地区企業であり、この業務はペルー鉱業でLas Bambas社の周辺地区が銅精鉱輸送を担う「2件目の事例」だとし、最初の事例は2024年のフエラバンバ地区のApu Llallawaだったと位置づけている。

Apu Llallawaは、その後も地区企業として活動を続けている。 ProActivo(2025年5月29日)によれば、2025年5月22〜23日にクスコ市で開かれたLas Bambas社主催の商談会・金融ワークショップに、Apu LlallawaはCorhuanなど他の地区企業とともに参加した。

参照した出典はいずれも、Las Bambas社関係者または地区代表への取材に基づく報道であり、住民全体への裨益の程度や、外部の運送業者・労働組合など第三者の視点からこの契約を検証した報道は見つからなかった。 縮小や契約解除を伝える報道も、今回参照した範囲には無い。

出典

  1. Las Bambas suscribe contrato con empresa comunal de Fuerabamba para transporte de concentrado de cobre — El Comercio(2022-08-16)
  2. Empresa Comunal Apu Llallawa recibe el Premio Iberoamericano a la Calidad Empresarial por brindar servicios de transporte a Las Bambas — Revista ProActivo(2024-08-29)
  3. Empresa comunal Apu Llallawa de Fuerabamba inicia traslado de concentrado de cobre de Minera Las Bambas — Desde Adentro(ペルー鉱業石油エネルギー協会 発行)(2024-11-20)
  4. Empresa comunal Corhuan de Huancuire inicia traslado de concentrado de cobre de Las Bambas — Desde Adentro(ペルー鉱業石油エネルギー協会 発行)(2025-03-04)
  5. Minera Las Bambas desarrolla exitosa Rueda de Negocios – Workshop Financiero — Revista ProActivo(2025-05-29)

最終確認日 2026-09-02

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