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組合が道路使用許可をまとめて申請する形にして、港そばの公道での朝市を毎日続けている

呼子朝市

日本 / 佐賀県 / 唐津市

組合が道路使用許可をまとめて申請する形にして、港そばの公道での朝市を毎日続けている
© 観光Re:デザイン(株式会社ジェイクリエイト) — この写真が載っている記事

1998年発足の組合は2002年に174人でピークとなった後に減り、2015年度は99人。2018年には新規出店者育成と「呼子マルシェ」開催で客層拡大を図った。

何をしたか

佐賀県唐津市呼子町で、呼子港そばの「朝市通り」と呼ばれる道路の上で、水産物や青果を売る露店市(呼子朝市)が元旦を除く毎日、朝8時から正午まで開かれている。露店商は1998年発足の呼子朝市組合に登録し、組合が道路使用許可を一括申請することで、公道での出店を続ける仕組みを作った。車両の通行を止めているかどうかは、参照した出典には書かれていない。

誰が始めたか

呼子朝市そのものの起源は古く、『呼子町史 ふるさと呼子』によれば、17世紀後半に呼子で盛んだった捕鯨業の関係者が鯨肉を荷い籠で売り歩いた「触れ売り」が起源といわれている。現在のような商店街での朝市の形になったのは大正時代頃とされ、大正12(1923)年頃には呼子地域の商店街の移動にあわせて朝市も松浦町付近へ移ってきた。その後、第二次世界大戦中の中断や、交通上の理由による複数回の移転を経て、1965年7月に海岸道路の完成にともない松浦商店街に復帰し、現在の場所に落ち着いたとされる(学術論文・小島ほか, 2015)。

長らく朝市は商店街の軒先で特に規制のないまま開かれ、出店の場所取り競争が激化していた。朝市が公道上で開催されていることから道路交通法に関する警察の指導があり、1998年4月27日、82人の会員で呼子朝市組合が発足した。組合はその後、道路使用許可の申請を出店者に代わって一括して行うようになり、出店者はあらかじめ決められた場所に出店する形に変わった(同論文)。

同論文によれば、呼子朝市組合の事務局はNPO法人SCRUM呼子が運営している。SCRUM呼子は、出店者への衛生管理指導や購買者からの苦情対応にあたるほか、元日を除く年364日、売り上げが見込めない日でも毎日出店するよう出店者に指導・奨励し、朝市を毎日開催し続けるための実務を担っている。

新規出店者の確保については、唐津市がかつての賑わいを取り戻したいとの狙いから(2018年の記事の時点で)前年度から「朝市学校」を開催し、朝市の歴史やルール、接客体験やお試し出店の支援を行って新規出店者を募ってきた(観光Re:デザイン, 2018)。

いくらかかったか

学術論文(小島ほか, 2015)によれば、呼子朝市組合の運営費は、会員から徴収する年間の組合費でまかなわれている。出店する間口の広さに応じて、1メートル契約で年7,000円、1.5メートルで8,000円、2メートル以上で9,000円が徴収され、道路使用許可等の申請費用などに充てられている。

朝市通りの駐車場については、旅行会社からの要望を受けて1989年からバスを駐車できる市営駐車場が朝市通り近くに設けられ、さらに2001年8月には商工会により買い物客向けの朝市通り駐車場が整備された(同論文)。これらの整備にかかった事業費そのものは、今回確認できた出典には記されていない。道路の舗装や電線類の地中化など、朝市通り自体の大規模な公共インフラ整備費を示す記述も、今回の出典からは確認できなかった。

真似するなら最低何が必要か

学術論文(小島ほか, 2015)の記述から、最低限必要な要素として次が読み取れる。

第一に、出店者を束ねる組合のような組織である。呼子朝市では、警察から道路交通法上の指導を受けたことをきっかけに1998年に組合が発足し、それまで出店者が自由に場所を選んで出店していた状態から、組合が道路使用許可をまとめて申請し、出店者は決められた区画に出店する形へと変わった。個々の出店者が毎回別々に道路使用許可を取る必要をなくしたことが、公道での出店を続けられている理由の一つになっている。

第二に、日々の運営を担う事務局である。呼子朝市組合の事務局はNPO法人SCRUM呼子が担い、衛生管理指導や苦情対応にあたるほか、売り上げが見込めない日でも出店するよう出店者に働きかけ、年364日の毎日開催を維持している。

第三に、出店料(組合費)の仕組みである。間口の広さに応じた年会費(1メートルあたり7,000〜9,000円)を徴収することで、道路使用許可の申請費用などをまかなっている。

第四に、後継者・新規出店者の確保策である。同論文は、呼子朝市組合の組合員数が2002年の174人をピークに高齢化と後継者不足で減少してきたことを指摘している。これに対し唐津市は、2018年の記事の時点で前年度から「朝市学校」を開催し、朝市の歴史・ルール・接客体験・お試し出店の支援を通じて新規出店者を募る取り組みを行った(観光Re:デザイン, 2018)。

今どうなっているか

2018年の観光Re:デザインの記事によれば、唐津市は前年度から新規出店者育成のための「朝市学校」を実施し、2018年7月1日には、朝市学校で学んだ出店者も加えて第1回「呼子マルシェ」を開催した。通常の朝市は水産物・青果の露店が中心だが、マルシェではハンドメイド雑貨やピザ・カレー・イカバーガーなど15店が加わり、通常は正午までの朝市を午後2時半まで延長して営業した。同市はマルシェを不定期で年3回程度開催していく方針だったと報じられている。

学術論文(小島ほか, 2015)は、2015年度時点の呼子朝市組合の組合員数を99人としている。2002年の174人をピークに、高齢化や、出店者が道の駅・大型店側へ移ったことを理由に2011年95人・2012年86人まで減少したが、2013年95人・2014年98人・2015年99人と下げ止まりの兆しがあったと分析している。

2026年8月時点で、これより後の時期について呼子朝市組合の組合員数や朝市通りの現況を報じた独立した出典は確認できていない。地元紙(佐賀新聞・西日本新聞)は robots.txt が当方のクローラーを拒否しており取得できず、唐津市公式サイトの朝市関連ページの一部も現在はリンク切れになっている。反論・否定的な報道は今回の出典には無く、該当なし。

出典

  1. 佐賀県唐津市における「呼子朝市」の存続基盤 — 地理空間(地理空間学会)(2015)
  2. 朝市を新たな魅力で発信 「呼子マルシェ」を開催 — 観光Re:デザイン(株式会社ジェイクリエイト)(2018-07-17)
  3. 生活市戦略と観光市戦略の関連性 : 呼子朝市に対する評価データ分析を中心として — 流通科学研究(中村学園大学流通科学部)(2003-03-31)

最終確認日 2026-08-30

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