使われなくなった鉄道機関区の車両庫を市が2013年から改修し、飲食店・銀行・職業訓練校運営の店舗など複数の事業者を入居させる商業・イベント空間に転換した
Pieksämäen Veturitallit
この記録は運営主体の発信を含みます。
2013年に始まった旧機関区の改修は2015年に完成し、2018年に飲食店、2022年には職業訓練校の実習店舗がテナントとして加わったと、それぞれの時点の出典が伝えている。
何をしたか
フィンランド中東部のピエクサマキ市で、1989年から空いていた旧国鉄(VR)の機関区車両庫を、市が2013年から改修し、複数の事業者が入居する商業・イベント空間に転換した。 Rakennustaito(2015年2月20日)によれば、1890〜1955年に建てられた16区画の車両庫のうち11区画は外部の事業者向けに改修され、隣接して覆い付きイベント広場「Veturitori」も新設された。完成後は、協同組合Osuuskauppa Suur-Savo(Sグループ)がレストランを開業(2018年)し、職業訓練校Ammattiopisto Spesiaが実習を兼ねた店舗を開業する(2022年)など、性格の異なる事業者が順に加わっている。
誰が始めたか
改修の所有者・事業主(rakennuttaja)はピエクサマキ市である。 Rakennustaito(2015年2月20日)は、車両庫(Vaihe I)とVeturitori(Vaihe II)のいずれも「Omistaja ja rakennuttaja: Pieksämäen kaupunki」と記している。設計はARK Kantonen Oy、構造設計はVaihe IがRambolla Finland(同記事の表記のまま)、Vaihe IIがControlteam Oy、Vaihe IIの主要施工はU. Lipsanen Oyが担った(同)。
完成後にテナントとなった事業者は、それぞれ別の主体である。 Visit Pieksämäki(2018年4月5日)によれば、協同組合Osuuskauppa Suur-Savo(Sグループ)が2018年4月6日、Veturitori内にレストラン「Ukko Bistro & Deli」を開業した。Ammattiopisto Spesia(2022年5月4日)によれば、職業訓練校Ammattiopisto Spesiaが2022年3月17日、同校5番目となる店舗「Spesia Puoti」をVeturitalleilleに開業した。同記事は、店舗の建設と開業準備には複数の学科の生徒が携わり、準備教育課程(VALMA)の生徒が什器を組み立て、造園系の生徒が花を生け、調理系の生徒が開業日の軽食を用意したと書いている。
いくらかかったか
車両庫本体の改修(Vaihe I)は「200万ユーロほどの価値」、Veturitoriの新設(Vaihe II)は「事業の価値は1,000万ユーロ」と、Rakennustaito(2015年2月20日)はそれぞれ別の箇所で書いている。 同記事は別の箇所で、基礎の補強や煉瓦壁の補修、油分を含んだ構造材の処理といった想定外の費用がかさみ、「Veturitallien ja Veturitorin(車両庫とVeturitoriの)」事業費の見積もりが1,000万ユーロから約1,200万ユーロに膨らんだ、とも書いている。この2箇所の数字(Vaihe Iの2百万+Vaihe IIの1千万=1千2百万という積み上げと、車両庫とVeturitoriを合わせた見積もりが1千万から1千2百万に増えたという記述)は単純には整合せず、同記事の中でどちらが最終値かは明示されていない。 ピエクサマキ市の不動産部長Reijo Raitio氏は、この工事で最も心臓が縮んだ瞬間は、追加で200万ユーロほどが要ると議会に説明しなければならなかった時だったと、同記事の中で冗談交じりに振り返っている。
公的な補助も別に付いている。 同記事は、これに加えてEUの地域開発基金とEtelä-Savon ELY-keskusから250万ユーロの支援があったと書いている。資金の出し手はEtelä-Savon maakuntaliitto(県連合)とEtelä-Savon ELY-keskusとも記されている(Pieksämäen kaupunki, 2015-07-14)。
同じ敷地に計画されていた大型商業施設の費用は別枠だった。 Rakennustaito(2015年2月20日)は、同じ敷地での約7,500万ユーロ規模・延床5万平方メートル以上の商業施設(Vaihe III)が、2015年2月の時点では「vasta paperilla(まだ紙の上だけ)」の計画段階だったと書いている。この商業施設のその後については、参照した5本のどこにも記述がなく、確認できていない。
個々のテナントの投資額は、参照した出典に書かれていない。 Spesia Puotiの開設費用や、Ukko Bistro & Deliの内装費についての金額は、今回参照した5本のいずれにもない。
真似するなら最低何が必要か
第一に、改修工事を、性格の異なる2つの工区に分けて並行して進めること。Rakennustaito(2015年2月20日)によれば、車両庫本体の改修とVeturitoriの新設は、市が別々に入札した2つの工事として同時に進められた。設備配管を最後につなぐ工程だけを、両工区の完成タイミングに合わせて調整する必要があったという。
第二に、保存できない部分は、痕跡だけを残す形で妥協すること。同記事によれば、文化財保護当局は車両庫の中庭にあった直径22メートルの円形転車台の保存を求めたが、実際には転車台の輪郭をコンクリート床に描く形で決着したという。煉瓦壁も、厚いところでは800ミリメートルを超える壁面をそのまま見せる形で残された。
第三に、改修した区画の大半を、あらかじめ外部の事業者向けとして設計すること。同記事によれば、16区画のうち5区画だけを社会・トイレ施設にあて、残り11区画は外部の事業者に向けて改修された。
第四に、建物が完成した後、時間をかけて性格の異なるテナントを順に迎え入れること。今回参照した出典によれば、2015年の完成後、協同組合による飲食業(2018年、Ukko Bistro & Deli)、職業訓練校による実習店舗(2022年、Spesia Puoti)という、業種も運営主体も異なる事業者が数年おきに加わっている。
第五に、職業訓練校の実習店舗をテナントの選択肢に入れること。Ammattiopisto Spesia(2022年5月4日)によれば、Spesia Puotiは同校が運営する店舗であると同時に、生徒が値付け・陳列・接客・レジ操作・清掃といった実務を経験する学習環境でもある。同校はピエクサマキ以外にもJyväskylä・Järvenpää・Kotka・Turkuに同様の店舗を持つと同記事は書いている。
第六に、新しいテナントの名前を、その場所の歴史と結び付けること。Visit Pieksämäki(2018年4月5日)は、レストラン「Ukko Bistro & Deli」の名前が機関車「Ukko-Pekka」に由来し、ピエクサマキの鉄道の歴史と自然に結び付くと書いている。
今どうなっているか
2026年9月時点で確認できた最新の一次資料は、2022年5月4日のAmmattiopisto Spesiaの記事である。 同記事によれば、Veturitalleilla(Veturitallit内)には、当時すでにいくつかの事業者と市の青少年課が入居していた。
ピエクサマキ市の施設紹介ページ(構造化された掲載日は2015年7月14日だが、2026年6月12日に更新されている)は、現在のテナント構成として次を挙げている。 レストラン「Ukko Bistro & Deli」、Suur-Savon Osuuspankki(協同組合銀行の支店)、「Spesia Puoti」、市の青少年課(nuorisotoimi)、イベント広場「Veturitori」。敷地内の別棟(piharakennus)では美容室「City-Kutri」が営業しているとも記す。同ページは、Veturitalleilta が事業用の賃貸物件として現在も貸し出されており、隣接地にも商業建築用の未利用地があると書いている。同ページはさらに、Veturitallitのすぐ隣にOsuuskauppa Suur-SavoのPrisma Pieksämäkiがあり、その中に複数の店舗・サービスがあると記しているが、これがRakennustaito(2015年2月20日)の言う約7,500万ユーロ規模の計画(Vaihe III)と同一のものかどうかは、参照した出典からは確認できない。
2015年の完成・2018年・2022年・そして2026年の施設紹介ページと、確認できる各時点でVeturitalleilla(Veturitallit内)に事業者が入居していたことが、参照した5本からそれぞれ読み取れる。 ただし、2018年(Ukko Bistro & Deli開業)と2022年(Spesia Puoti開業)の間、あるいは2022年からピエクサマキ市の施設紹介ページの最終更新(2026年6月12日)までの間に、テナントの入退去がどのように推移したかは、参照した5本のどこにも書かれていない。
出典
- Veturitalleille uusi elämä - Rakennustaito.fi — Rakennustaito(2015-02-20)
- Pieksämäen Veturitallit - Pieksämäen kaupunki — Pieksämäen kaupunki(2015-07-14)
- Veturitallit ja Veturitori valmiina tapahtumien käyttöön - Visit Pieksämäki — Visit Pieksämäki(2015-11-05)
- Tule Ukko Bistro & Delin avajaisiin Pieksämäen Veturitorille 6. huhtikuuta - Visit Pieksämäki — Visit Pieksämäki(2018-04-05)
- Pieksämäen Spesia Puoti avattiin Veturitalleille - Ammattiopisto Spesia — Ammattiopisto Spesia(2022-05-04)
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