福祉の窓口から直接つないで、仕事に就きにくい人と企業を橋渡しする仕組みを10年続けている
Làbora
2014年末に始まった。2016年の報道では前年に1,500人が契約に至り、2021年には7年目と伝えられた。2025年には在留資格のない人を対象にした試行 LABase が別に始まっている。
何をしたか
バルセロナ市が、福祉の窓口が見ている人をそのまま就労支援につなぎ、企業へ橋渡しする仕組みを2014年の終わりから続けている。市の社会権の部門と Barcelona Activa が、第三セクターの3つの連合体と組んで運営する。
相談員が計画を立て、必要なら学び直しの講座を用意し、参加する企業に人を紹介する。betevé は2016年5月に、前の年に1,500人が契約に至り、これが対象となった人の22%にあたると伝えている。同じ記事は、契約の3件に1件が3か月未満だったとも書いている。
2025年には、在留資格のない人を対象にした試行が別に始まっている。
誰が始めたか
始めたのはバルセロナ市で、始まったのは2014年の終わり、前の市政期である。 betevé(2016年5月9日)は、排除の危険にある人の就労を扱うこの事業が2014年の終わりに前の市政期に始まり、市と第三セクターの3つの連合体——ECAS、FEICAT、カタルーニャ赤十字——によって進められていると書いている。Diari del Treball(2021年10月22日)は、公共と社会の協働の事業であり、市の「社会権・グローバル正義・フェミニズム・LGTBI」の領域と Barcelona Activa が、ECAS・FEICAT・赤十字とともに率いているとしている。新しさは、入口を福祉の窓口に直結させたことにある。 ECAS の directora general である Mariona Puigdellívol は同記事で、福祉の窓口の見立てから、就労可能性を高めるための特定の事業へ人を送る仕組みを立てた市の事業はこれが最初だと述べ、ふだんは福祉の窓口の受付に留まってしまう人たちを念頭に置いていると説明している。同氏はまた、ECAS・FEICAT・赤十字が内部に100を超える団体を抱えており、市とともに事業の統治を担っているとし、他の事業にはこれほどの噛み合わせがないと評している。
いくらかかったか
betevé(2016年5月9日)は、この年の予算がほぼ倍になって320万ユーロだと書いている。 増額は対象を広げるためで、同記事によればこの年は、assentaments(居住地)に住む人と、在留資格のない人により力を入れて取り組むことになっていた。320万ユーロという数字は2016年時点のもので、それ以降の予算を書いた出典は無い。 また1人あたりの費用、市と3つの連合体のあいだの負担の割り振り、参加企業の負担の有無は、参照した3本のどこにも書かれていない(3本とも通しで読んで確かめた)。金額として他に出るのは、Social.cat(2025年4月23日)が伝える2025年の試行 LABase の対象がサン・アンドレウ地区のおよそ100人という規模だけで、こちらにも予算額は付いていない。
真似するなら最低何が必要か
- 福祉の窓口から就労の事業へ人を送る回路。 上記のとおり、Diari del Treball(2021年10月22日)はこれをこの事業の値打ちとして挙げ、参加する人が福祉の窓口から直接送られてくることを他と違う点だとしている。この回路がないと、そもそも最も遠い人に届かない。
- その回路の先を受ける、地元の団体の層。 同記事によれば、市と3つの連合体が事業の統治を担い、そこから技術事務所(oficina tècnica)が開かれて、市内に散らばる Làbora の相談窓口を調整する。窓口そのものは市内で活動する複数の社会団体が運営している。 連合体が抱える団体は100を超える。
- 相談員と、学び直しの講座。 betevé(2016年5月9日)は、Làbora の相談チームが求職者に学び直しの講座を用意し、それがある仕事に就く道を開いた例を伝えている。Social.cat(2025年4月23日)も、2025年の試行 LABase で相談員がつき、本人と一緒に働く計画を立てる形が取られると書いている。
- 人を雇う側の企業を、あらかじめ数多く集めておくこと。 betevé(2016年5月9日)は、参加する企業が1,000社を超え、市場への橋渡しの鍵になっていると書いている。副市長 Laia Ortiz は同記事で、参加は常に社会的責任という見方でなされるのであって、弱い立場につけこむ見方ではないと述べている。カタルーニャ赤十字の国際協力担当 Ramon Jané は、事業が就労の相談と、人と企業のあいだを取り持って人物像と求人を合わせる仕事を提供すると説明している。
- 雇用の「質」を見る指標を最初から持つこと。 同記事は、成果とともに中身も並べている。前の年に契約に至ったのは1,500人で、これは対象となった人の22%にあたる。 その一方で、契約の3件に1件は3か月未満で、60%は清掃の分野だった。Laia Ortiz は、就労までの道筋が労働条件の尊厳を含まなければ人の尊厳は保たれないと述べている。FEICAT の presidenta である Catalina González は、これが一時の急場をしのぐ取り組みではなく、長く続く取り組みを押すための強い賭けだと述べている。
- 窓口が対面を前提にしていることの弱さを知っておくこと。 Diari del Treball(2021年10月22日)で Mariona Puigdellívol は、この事業は100%対面で考えられていたため、外出制限で同行の道筋も事業そのものも組み直さねばならなかったと述べ、対象としている人たちは技術への接し方に困難があり、機器を持っていないうえに、デジタルの技能も持っていないことが多いと説明している。同記事によれば、それでも前の年に対応した人は10.8%増えて6,663人となり、うち2,000人は初めての来訪だった(記事は「昨年」とだけ書いており、西暦を記していない)。
- 出た後を追う手立て。同記事はそれが無いことを認めている。 Puigdellívol は、誰が仕事を得て、どんな契約かは分かるが、その就労が長く続くかどうかを知る手立てが今のところ無いとし、通った人が仕事を保てているかだけでなく、仕事を保てたかどうかにかかわらず、Làbora を通ったことで就労の力を高める個人・職業の能力をどう身につけたかも知りたいと述べている。同記事は、事業を出たあとの追跡がきわめて複雑だと書いている。
今どうなっているか
2026年8月の時点で確認できた最も新しい記録は、2025年4月23日の Social.cat である。 同紙は、在留資格のない人の就労を扱う試行 LABase がサン・アンドレウ地区で始まることを伝えている。同紙によれば、これは福祉の窓口の側から出た強い要望を受けて市が立ち上げるもので、Làbora の知見と経験を取り込み、市と FEICAT・赤十字・ECAS の協働に、市立社会サービス機構、移民・移住者・難民の相談窓口 SAIER、市の移民・難民サービス局、Barcelona Activa が加わる形になる。2025年のうちに地区のおよそ100人に届く見込みとされ、相談員がつくほか、在留資格を得る手続き(arrelament)についての個別の法律相談も受けられる。 研修は SAIER が各グループに対して行ない、2019年から在留資格のない人に社会・就労・法律の同行を提供してきた Barcelona Activa の Pròxim が労働市場との接続を担うとされる。Làbora 本体については、2021年10月の Diari del Treball の記事(当時7年目)より後の実績を報じた出典が無い。 LABase が実際に100人に届いたかどうかも確認できていない。status_current は「継続中」のままである。
出典
- Més de 1.500 persones en risc d'exclusió social troben feina a partir del programa Làbora — betevé(2016-05-09)
- Cada any més persones ateses per serveis socials acudeixen al programa d'inserció laboral Làbora — Diari del Treball(2021-10-22)
- Un nou projecte a Barcelona promourà la inserció laboral de les persones en situació administrativa irregular — Social.cat(2025-04-23)
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