旧工業・港湾・鉄道の用地を、州と国が半分ずつ出資する会社が30年かけて街に変えた
Bilbao Ría 2000
1992年に設立され、2013年3月には取締役会が秩序ある閉鎖の計画づくりを指示した。2017年には25年、2023年には30年が報じられ、総投資は10億2,000万ユーロを超えた。2024年にはオラベアガのマスタープランの入札が伝えられている。
何をしたか
ビルバオと隣のバラカルドで、使われなくなった工業・港湾・鉄道の用地を都市の空間に作り替えてきた。担い手は1992年に作られた Bilbao Ría 2000 という会社で、デイアによればバスク州側の機関とスペイン国の機関が50%ずつ出資する公共会社である。手をつけた場所は、アバンドイバラ、アメツォラ公園、ガレジャノ、ビルバオ・ラ・ビエハ、そしてバラカルドのウルバン=ガリンドなど。2023年5月の時点で総投資は10億2,000万ユーロを超えた。資金の作り方に特徴があり、整備した用地を売って得た差益を次の事業に回す形をとってきた。この仕組みは2008年以降の建設不況で行き詰まり、2013年には会社を畳む計画が検討されている。
誰が始めたか
デイアは、この会社をバスク州側の機関とスペイン国の機関が半分ずつ出資して作った「vasco estatal(バスク・国)」の会社だと繰り返し書いている。つまり市が単独で作ったものではなく、国と地域が同じ持ち分で並ぶ形である。2013年の記事では、取締役会が支配人の Ángel Nieva に閉鎖計画の作成を委ねたと報じられており、意思決定は取締役会にある。
エル・サルトは2018年、ソロツァウレの再生を担う管理委員会は、時系列としては別でも、この会社を引き継ぐ存在だと位置づけている。同じ手法が別の器で引き継がれているという見方であり、担い手が誰かという問いは今も論点になっている。
いくらかかったか
総投資10億2,000万ユーロ超(2023年5月・デイア)。Terroir の収録件のなかでは金額が明示されている数少ない例である。
より重要なのは金の出どころで、デイアの2013年の記事によれば、この会社の資金は歴史的に整備した用地を売って得る差益に基づいていた。建設不況はその主要な財源を絶ち、会社は4年にわたる経営難に陥った。2013年に閉鎖が検討された理由は、目的を達したという判断と、この財源の消失の2つである。
つまりこの方式は地価が上がり続けることを前提にしている。真似する側が最初に確かめるべきはここである。
真似するなら最低何が必要か
出典から読み取れる条件は4つある。
1. まとまった量の公有地。 旧港湾・旧鉄道・旧工場という、行政の側が動かせる大きな土地がなければこの方式は成立しない
2. 国と地域が同じ持ち分で入る器。 50%ずつという構成は、どちらか一方の財政事情や政権交代で事業が止まりにくい形になっている
3. 用地売却益を次に回す資金の循環。 ただし上記のとおり、これは地価上昇を前提とする。不況が来ると財源そのものが消える
4. 数十年の時間。 1992年に始まり、2023年時点でなお10年分の事業が残るとされている。10年で終わる話ではない
確認できないのは、住民の関与の仕組みである。出典には合意形成の手続きが出てこない。エル・サルトの批判は、まさにその不在(開かれた議論の欠如)に向けられている。
今どうなっているか
2026年8月時点で確認できた最も新しい記録は、2024年7月22日のデイアの記事で、オラベアガのマスタープランを夏以降に入札するとしている。2023年5月の30周年の記事は、バラカルドの川沿い公園の工事が前月に始まったこと、オラベアガの再生ではレンフェの線路を地下化して新しい街路と住宅を作る計画であることを伝えている。事業は続いており、2013年に検討された閉鎖は実行されていない。
評価は割れている。デイアは2017年の見出しで25年を「都市の変革の成功」と書いた。一方エル・サルトは2018年、この会社が開発利益の最大化と地価上昇の取り込みを軸にした「機会主義的で投機的な都市計画」であり、アバンドイバラの戦略の破綻が教訓になっていない、成功をうたう語りが実質的な議論を封じている、と論じている。Terroir はどちらが正しいかを判定しない。両方が同じ事業について書かれたものとして並べる。
出典
- Bilbao Ría 2000 plantea su disolución — Deia(2013-03-22)
- Bilbao Ría 2000 conmemora 25 años de éxito en la transformación urbana — Deia(2017-11-20)
- Bilbao, la fábula posmoderna (III): La estrategia frente al espejismo de Zorrotzaurre — El Salto(2018-05-23)
- Bilbao Ría 2000 cumple 30 años aún con una década de proyectos por delante — Deia(2023-05-10)
- Ría 2000 licitará el master plan de la nueva Olabeaga después del verano — Deia(2024-07-22)
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