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お金を地域で回すエネルギー・資源循環5万人未満

全戸が3千ユーロずつ出して、村に電気と熱の網を敷いた

Feldheim

ドイツ / ブランデンブルク州 / トロイエンブリーツェン(フェルトハイム地区)

全戸が3千ユーロずつ出して、村に電気と熱の網を敷いた
© nd — この写真が載っている記事

2010年に村が自前の電気と熱の網を持ち、ほぼ全世帯が3,000ユーロずつ出した。2022年8月時点で電気は1キロワット時12セントで、ドイツ全体の30セント超を大きく下回っていた。2026年1月時点で年3,000人を超える視察が訪れている。

何をしたか

ブランデンブルク州の小さな集落フェルトハイムで、村が自前の電気と熱の網を敷き、その費用を住民自身が出した取り組み。バイオガス施設の排熱で村全体を暖めるという案から、村は自前の熱供給網を敷き、同じ工事で電線も引き直した。2010年から村はエネルギー自給とされている(nd 2025年6月29日)。

費用の出し方が中心にある。 熱供給網の事業費は170万ユーロで、ほぼ全世帯が3,000ユーロずつ自己資本として出し、残りはブランデンブルク州とEUの補助でまかなわれた。当時は多くの家で暖房の更新時期が重なっていたという事情もある。出資した住民は、新しく作られたエネルギー供給会社の持ち分を得た(t-online 2022年8月12日)。

効いているのは価格である。 2022年8月の時点で、フェルトハイムの電気料金は1キロワット時あたり12セントで、ドイツ全体の30セント超を大きく下回っていた。同記事は、130人ほどのこの集落ではエネルギーの費用が10年以上安定していると書いている。2025年6月の報道によれば、137人の村に風車55基、バイオガス施設、太陽光発電所がある。

外からの関心が続いている。 2026年1月時点で、年3,000人を超える視察が訪れており、日本・ケニア・韓国からの来訪が挙げられている。

誰が始めたか

バイオガス施設の排熱の使い道を考えたことが起点になっている。 nd(2025年6月29日)は、農場でバイオガス施設を使うという話が、その排熱で集落全体を暖める計画に発展したと書いている。そこから村は自前の熱供給網を敷き、同じ工事で電線も引き直した。

主体は住民が出資した会社である。 ZDFheute によれば、Feldheim Energie GmbH & Co. KG は Beirat(諮問委員会)が率いる形で運営され、住民のほぼ全員がこの会社の持ち分を取得している。t-online(2022年8月12日)は、金の無い自治体では全員が同じ方向を向いたときにしか変革は成らない、という趣旨で、住民が自分の財布から出したことを事業の条件として書いている。

前提は全戸の同意だった。 nd によれば、これらの設備を建てるには村全体の同意と協力が必要であり、ほぼ全世帯が出資に加わった。当時は多くの家で暖房の更新時期が重なっていたという事情もある。

いくらかかったか

熱供給網の事業費は170万ユーロである。 そのうちほぼ全世帯が3,000ユーロずつを自己資本として出し、残りはブランデンブルク州とEUの補助でまかなわれた(nd 2025年6月29日)。出資した住民は、新しくつくられたエネルギー供給会社の持ち分を得ている。

効果は電気料金として現れている。 t-online(2022年8月12日)によれば、フェルトハイムの電気料金は1キロワット時あたり12セントで、ドイツ全体の30セント超を大きく下回っていた。同記事は、この集落ではエネルギーの費用が10年以上安定していると書いている。nd は、市場価格が2021年まで30セント前後で推移し、ウクライナでの戦争とともに急騰したのに対し、フェルトハイムの価格はその一部にとどまったとする図を運営側が示したことを伝えている。

風力発電所やバイオガス施設そのものの建設費は、参照した3本のどこにも書かれていない。

真似するなら最低何が必要か

この事例で真似できる単位は、風車の数ではなく網を自分で持つという判断である。

第一に、配電網と熱供給網を自前で敷くこと。発電設備を建てるだけなら電力は既存の系統に売って終わるが、フェルトハイムは自前の熱供給網を敷き、同じ工事で電線も引き直した。 料金を自分たちで決められるのはこのためである。

第二に、全戸の同意を前提に置くこと。nd は、これらの設備の前提は村全体の同意と協力だったと書いている。一部の反対が残ると、網を村中に通せない。

第三に、出資の額を家計で払える水準にすること。1世帯3,000ユーロである。設備の総額を戸数で割るのではなく、払える額を先に決めて、足りない分を補助で埋めている。

第四に、更新の時期に合わせること。当時は多くの家で暖房の更新が必要な時期に重なっていた。どうせ替えるものを、村の網につなぐ形に替えている。

第五に、視察を受け入れる体制を持つこと。2026年1月時点で年3,000人を超える視察が訪れている。受け皿になっているのは村の中心にある Neue-Energien-Forum(NEF) で、nd(2025年6月29日)はここに教育担当(Bildungsreferent)を置いていると書いている。t-online(2022年8月12日)は、ラシェマン夫妻とクナーペ氏、それに無償で関わる人たちが、政治家・報道・学校のクラスに、エネルギーの自立がどう成り立つかを説明していると書いている。

今どうなっているか

2026年8月時点で確認できたのは、2026年1月25日の ZDFheute の記事までである。

2010年から続くエネルギー自給は維持されている。 ZDFheute は、130人ほどのこの集落が電気と熱を完全に自給しており、風車・バイオガス施設・木質チップのボイラーが村の需要をすべて賄っていると書いている。

設備の構成は続いている。 2025年6月の nd によれば、137人の村に風車55基、バイオガス施設、太陽光発電所がある。(2022年8月の t-online は風車の数を56基としており、基数そのものが増えたとは言えない。加えて、この nd 記事自体が、見出しと写真キャプションでは55基としながら、本文では「50基の風力発電設備」と書いており、記事の中でも数が揃っていない。discrepancies に並置した。)

外からの関心が続いている。 2026年1月時点で年3,000人を超える視察が訪れており、日本・ケニア・韓国からの来訪が挙げられている。ZDFheute の見出しは、この村がドイツ全体の手本になりうるかを問う形になっている。

電気料金のその後は nd(2025年6月29日)が書いている。 同記事によれば、フェルトハイムの価格は2021年に取り決めた価格拘束が切れたことで緩やかに上がり、その後また下がって、記事の時点では1キロワット時あたり11.3セントだった。ただし、これより新しい ZDFheute(2026年1月25日)は、その時点の価格を「およそ12セント」と書いている。 12セントという数字は2022年8月の t-online の時点のものでもあり、11.3セントが最終的な値だとは言えない。discrepancies に並置した。

出典

  1. Wie ein deutsches Dorf sich frei von Putin machte — t-online(2022-08-12)
  2. Feldheim: Deutschlands erstes energieautarkes Dorf — nd(2025-06-29)
  3. Feldheim in Brandenburg ist energieautark: Kann das Dorf ein Vorbild für Deutschland sein? — ZDFheute(2026-01-25)

最終確認日 2026-08-17

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