住民組織が自分たちで数え、9年続けて数字を出し続けた
Redes da Maré
この記録の出典は単一の媒体によるものです。
2013年に始めた全戸調査が2019年10月8日に「マレ国勢調査」として刊行された。治安についての年次報告は2026年3月に第9号を数え、2016年から2025年の10年で警察活動231回・死者160人を集計している。2025年の警察活動は16回・死者12人だった。
何をしたか
リオデジャネイロ北部の15のファヴェーラからなるマレ地区で、住民組織が自分たちの地区の統計を自前でつくり、刊行し続けている取り組み。建物を建てるのではなく、数字を出すこと自体を仕掛けにしている。
ひとつは全戸調査である。2013年に始まった調査が、2019年10月8日に「マレ国勢調査(Censo Maré)」として刊行された。 Redes da Maré の調査・事業監視部門の責任者 Dalcio Marinho によれば、15歳以上の非識字率は6%で、リオ市全体の2.8%の2倍以上にあたる。複合地区には調査時点の約2倍にあたる44校があるが、中学後期(6〜9年)を置くのは5校、高校は3校で、うち2校は夜間のみだった。
もうひとつは治安の記録である。「De Olho na Maré(マレを見張る)」という取り組みのもとで、警察活動の回数・死者・権利侵害を毎年数え、番号を振った年次報告として出している。 2026年3月19日に出た第9号は、2016年から2025年の10年間で警察活動231回、死者160人、権利侵害1,538件を集計している。2025年は警察活動16回・死者12人だった。
数え方が、生活の側から組み立てられている。 2025年3月の公表では、2024年の警察活動42日のうち88%が学校の近くで行われ、授業の中止は37日、平均7,302人の児童生徒に及んだこと、約90%が保健施設の近くだったことが示された。第9号では、10年間の学校閉鎖が通算163日でほぼ1学年分にあたるとされ、2025年だけで保健施設の14日の閉鎖により7,866件の受診・追跡ができなかったとされている。
この数字は係争の中にある。 Redes da Maré 創設者の Eliana Sousa Silva は、ファヴェーラでの警察活動を規律する最高裁の決定(ADPF 635、通称「ファヴェーラのADPF」)について、これは警察の活動を止めるためのものではなく、警察がマレに入る手段が警察活動しかないことを問うているのだと述べている。同じ報道は、リオ州政府側はADPFが通常の警察活動を妨げているとして批判していることも伝えている。
誰が始めたか
非政府組織 Redes da Maré である。 創設者で理事の Eliana Sousa Silva が、複数の報道で当事者として発言している。組織はマレ地区の中から出ており、活動は地区の内側で行われる。
数える仕事は部門に分かれている。 全戸調査は調査・事業監視部門(Núcleo de Pesquisas e Monitoramento de Projetos)が担い、2019年の刊行時は Dalcio Marinho が責任者だった。治安の記録は「安全への権利と司法へのアクセス」部門が担い、2026年時点の調整役は Tainá Alvarenga である。
「De Olho na Maré(マレを見張る)」という名前の取り組みが、治安の記録の枠組みになっている。 数えるのは外部の研究機関ではなく、地区の組織そのものである。
いくらかかったか
調査・集計・刊行にかかる費用や財源は、参照した3本のどこにも書かれていない。 unknown_fields に funding_scale を申告した。
代わりに出てくるのは、数えられた側の損失である。 2025年3月の公表では、2024年の警察活動により授業が37日中止され、平均7,302人の児童生徒に及んだ。2026年3月の第9号では、10年間の学校閉鎖が通算163日でほぼ1学年分にあたるとされ、2025年だけで保健施設の14日の閉鎖により7,866件の受診・追跡ができなかったとされている。この事例では、費用ではなく「失われた日数と人数」が金額に相当する指標になっている。
真似するなら最低何が必要か
この事例で真似できる単位は、地区の統計そのものではなく数え方の設計である。
第一に、自分たちで数えること。国勢調査や警察の統計を待つのではなく、地区の組織が全戸を回り、警察活動を毎年集計している。外から数えられるのを待たない。
第二に、生活の側の単位で数えること。警察活動の回数や死者数だけでなく、学校の近くで行われた割合(88%)、授業の中止日数(37日)、影響を受けた児童生徒数(平均7,302人)、保健施設の閉鎖日数(14日)と受診できなかった件数(7,866件)を数えている。「何が起きたか」ではなく「誰の何日が失われたか」に翻訳している。
第三に、番号を振って続けること。治安の年次報告は2026年3月で第9号にあたる。単発の調査ではなく、同じ形式で並べられる時系列になっている。 2016年から2025年という10年の幅は、この積み重ねからしか出てこない。
第四に、時間の幅で言い直すこと。10年間の学校閉鎖163日を「ほぼ1学年分」と表現している。日数の合計を、失われた教育の単位に置き換えている。
第五に、数字が誰と争うのかを分かっていること。 Redes da Maré は、この調査が最高裁の決定(ADPF 635)の必要性を裏づけると主張し、州政府側はその決定が通常の警察活動を妨げているとして批判している。数えることは中立の作業ではなく、係争の中に置かれる。
今どうなっているか
2026年8月時点で確認できたのは、2026年3月19日の Agência Brasil の記事までである。
記録は続いており、最新は第9号である。 2026年3月19日、「De Olho na Maré」による『マレにおける安全への権利 2025』第9号が公表された。2016年から2025年の10年間で、15のファヴァーラからなる複合地区で警察活動231回、死者160人、権利侵害1,538件が集計されている。脅迫・拷問・不法監禁も含まれる。
直近の年は減っている。 2025年の警察活動は16回・死者12人で、2024年の42日・20人より少ない。ただし2024年は2021年の7回の6倍という水準だった。
教育と保健への影響も同じ報告で数えられている。 10年間の学校閉鎖は通算163日でほぼ1学年分にあたるとされ、2025年だけで保健施設の14日の閉鎖により7,866件の受診・追跡ができなかったとされる。
この数字をめぐる対立は続いている。 Redes da Maré 創設者の Eliana Sousa Silva は、最高裁の決定(ADPF 635)は警察の活動を止めるためのものではなく、警察がマレに入る手段が警察活動しかないことを問うているのだと述べている。同じ報道は、リオ州政府側がその決定は通常の警察活動を妨げているとして批判していることも伝えている。
出典
- RJ: pesquisa aponta que Maré precisa reforçar educação para jovens — Agência Brasil(2019-10-08)
- Complexo da Maré teve 42 operações policiais e 20 mortos em 2024 — Agência Brasil(2025-03-21)
- Operações policiais na Maré deixaram 160 mortes em dez anos — Agência Brasil(2026-03-19)
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