川の曲がりに市立図書館を建て、実験室とラジオスタジオを同じ建物に入れた
De Krook
この記録の出典は単一の媒体によるものです。
VRT は2026年4月18日に、図書館のわきに架けた歩行者と自転車の橋が8年にわたって半分のまま使われていないと伝えている。同記事によれば、2020年に裁判官がこの橋は違法に建てられたもので取り壊すべきだと判断したが、6年たっても実行されておらず、建てられていない2本目の部分の許可も取り消された。橋の工事には200万ユーロを超える費用がかかっている。
何をしたか
ヘントの新しい市立図書館を、スヘルデ川の曲がりに建てた。VRT は2017年3月10日に、この建物が市の新しい目印になること、中に図書館・カフェ・実験室・Urgent.fm のラジオスタジオ・学習室が入ること、ヘント市とヘント大学と imec が新しい建物で共同の運営を組み立てることを報じている。同記事によれば、子どもの区画は地下一階に置かれ、返された本はベルトコンベアで地下二階へ運ばれる。同紙は2024年1月8日に、英国の The Guardian がこの図書館を「21世紀の都市の居間」と評し、アールフス・ヘルシンキ・オスロの図書館と同じ枠に置いたことを伝えている。
誰が始めたか
市と大学と研究所の3者で組んだ形として報じられている。 VRT NWS(2017年3月10日)は、ヘント市・ヘント大学・imec が新しい建物で共同の運営を組み立てるとし、フランデレン政府と東フランデレン州がそれを支えると書いている。同記事の書き方は「これから組み立てる」であって、この時点で共同運営が成立したとは書いていない。 同記事によれば、ヘントに新しい図書館を作る最初の計画ができたのはその10年前である。
当時この事業の会社を代表していたのは市の参事である。 同記事は、cvba Waalse krook の代表で文化・観光・催事を担当する参事 Annelies Storms(SP.A)の言葉として、本を読んだり借りたりできるだけでなく、講演や研究にも加われ、複雑なデジタルの世界で道を見つけるためにも、友人とコーヒーを飲むためにも来られる場所を目指したと述べたことを伝えている。
設計は2つの事務所が担った。 COUSSEE & GORIS と、スペイン・カタルーニャの RCR Arquitectes である(同)。
入居する側の顔ぶれが確定した形で出てくるのは2024年である。 VRT NWS(2024年1月8日)は、建物に住む者(Krookbewoners)として imec・ヘント大学・Urgent.fm を挙げ、imec とヘント大学が、住民が起点になり図書館が場を用意する一連の事業の実施を助けていると書いている。
いくらかかったか
建物の費用は、参照した3本のどこにも書かれていない。 3本を金額の語(kosten / budget / investering / miljoen / euro)で当たっても、建物そのものの額は出てこない。誰がいくら出したかも書かれていない。 2017年3月10日の記事はフランデレン政府と東フランデレン州の「支援」を挙げているが、それが資金なのか別の形なのかまでは書いていない。市・大学・imec の分担も出てこない。
金額が出てくるのは、わきに架けた橋だけである。 VRT NWS(2026年4月18日)は、De Krook のそばにある歩行者と自転車の橋 Steve Bikobrug について、建設に200万ユーロを超える費用がかかったと書いている。同記事によれば、この橋は De Krook と Brabantdam を結ぶはずだったが、1本目の半分だけができた状態で止まっている。
つまり、この事例で金額が判明しているのは、本体ではなく止まっている付帯工事の側である。
真似するなら最低何が必要か
1. 本以外の中身を、開ける時点で決めておくこと。 VRT NWS(2017年3月10日)は、開いた時点で建物の中に図書館・カフェ・実験室・Urgent.fm のラジオスタジオ・学習室が入っていたと書いている。VRT NWS(2024年1月8日)によれば、その後はレーザーカッター・3Dプリンタ・VR を置いた工作の部屋、学生のラジオスタジオ、行政手続きを助ける DigiPoint、言語のセンター、飲食店、大きな閲覧室が並んでいる。
2. 入るための費用をゼロにすること。 2024年1月8日の記事は、会員になるのは無料で、無制限の Wi-Fi と1日2時間の端末利用が付くと書いている。
3. 建物そのものを通り道にすること。 2017年3月10日の記事によれば、設計は建物の周りの隙間を通路に使い、自転車750台分の駐輪と隣接する Wintercircus への接続を持つ。建築家 Ralf Coussée は同記事で、以前は人がこの区域を迂回していたが、いまはまっすぐ通り抜けると述べている。
4. 開ける前に住民を引き入れること。 2024年1月8日の記事は、広報担当の Els Van Rompay の言葉として、2017年の初日から地元の人を巻き込もうとし、古い図書館から本を運ぶのを手伝ってほしいという象徴的な呼びかけに多くの人が集まったこと、開館の週末の来場が2万人だったことを伝えている。
5. 周りをつなぐ工事を、本体とは別の案件として最後まで見ること。 2017年3月10日の記事は、いずれ歩行者と自転車の橋が架かって建物と中心市街地をもっとよくつなぐと書いていた。止まっているのはこの部分である。 VRT NWS(2026年4月18日)によれば、2014年に許可が出た1本目の橋は着工が認められる期限いっぱいの2年後に工事が始まり、2020年に裁判官が、着工の時点で許可は失効していたと判断した。2018年に出た2本目の許可も、新しい交通の流れと影響の調査が足りないとして取り消された。
6. 反対の声を、計画の段階で処理しきること。 同記事によれば、住民は騒音・必要性・安全について着工前から問うていた。別の住民の代理人である弁護士 Griet Cnudde は、最初の計画づくりの段階から議論があったのに市が進めたとし、税金の無駄だと述べている。市は交渉と調停をしたとしているが、VRT が話を聞けた住民はそれを強く否定している。
今どうなっているか
2026年8月時点で確認できた最も新しい記録は、2026年4月18日の VRT NWS である。ただしその記事が扱っているのは図書館ではなく、わきの橋である。
同記事によれば、Steve Bikobrug は8年にわたって半分のままスヘルデ川に架かり、使われていない。 橋は途中で途切れている。2020年に裁判官が、この橋は違法に建てられたもので取り壊すべきだと判断したが、6年たっても実行されていない。判決は仮執行できないものとされ、裁判官はそれによって市に控訴の時間を与えた。勝った側の住民は判決を送達させることができたが、送達は行われず、何も起きなかったと同記事は書いている。2本目の橋の許可は、別の住民の申し立てを受けた許可争訟評議会が取り消した。担当の参事 Joris Vandenbroucke(Voor Gent)の事務所は案件が止まっていることを認めており、事実が起きたのは前の2期の市政のときだとしている。同事務所は、いまの状態はほとんど支障を生んでおらず橋はきちんと閉鎖されているとも述べている。市が橋をつなぐために買った土地は草に覆われ、売った元の持ち主は返してほしいとしている。
図書館の側について確認できた最も新しい記録は2024年1月8日である。 同記事は、1日およそ4,000人が訪れ、本の貸出が1割近く増えたと書いている。縮小・閉鎖・利用の落ち込みを伝える記述は、参照した3本の中には無い。
出典の性格を明記しておく。 3本はすべて VRT NWS で、掲載年は2017 / 2024 / 2026 の3か年である。
出典
- De Krook, bibliotheek en balkon op Gent, opent de deuren — VRT NWS(2017-03-10)
- "Verbindingspunt", "cultureel centrum" en "katalysator": The Guardian prijst De Krook in Gent als bibliotheek van de toekomst — VRT NWS(2024-01-08)
- Halve brug blijft al 8 jaar ongebruikt in Gent: "Dossier zit muurvast" — VRT NWS(2026-04-18)
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